小児耳鼻咽喉科とは

小児耳鼻咽喉科のイメージ写真

生後間もない新生児から、中学生頃までのお子さまを対象とした診療科です。
耳・鼻・のどの症状や病気について、診察、検査、治療を行います。
子どもの耳や鼻、のどは、成人と比べてまだ発達の途中にあるため、特有の病気(中耳炎、扁桃炎、副鼻腔炎など)を繰り返しやすいという特徴があります。
当院では、お子さまの年齢や成長段階に合わせた最適な診療を行うとともに、ご家庭でできる予防法やホームケアについても丁寧にご説明いたします。
どうぞお気軽にご相談ください。

保護者の方へ

小さなお子さまは、自分の言葉で「耳が痛い」「のどが苦しい」といった症状をうまく伝えることができません。
そのため、当院では診察時にお子さまの様子をより注意深く観察するとともに、保護者の方へいくつか質問をさせていただくことがあります。

  • 気になった症状はいつから出ているか
  • 普段の様子とどのように違うか
  • これまでに罹った病気(既往歴)はあるか

これらは、スムーズで正確な診断をつけるための大切な情報となります。
ぜひご協力をお願いいたします。

小児耳鼻咽喉科でよくみられる症状(耳、鼻、のど 等)

耳の疾患

急性中耳炎

急性中耳炎とは

耳の奥にある「中耳(ちゅうじ)」という空間に急な炎症が起きる病気です。
多くは風邪を引いた後に発症します。
子どもの耳管(耳とのど・鼻をつなぐ管)は、成人に比べて「太く、短く、傾きが水平」という特徴があります。
そのため、風邪のウイルスや細菌が鼻から耳へと入り込みやすく、中耳に炎症を起こして膿が溜まってしまいます。
これにより、強い耳の痛みや聞こえにくさ、発熱などの症状が現れます。

急性中耳炎は2歳頃までのお子さまに最も多く見られますが、集団生活などで風邪を引きやすい小学校入学前(6歳頃)までは、よく繰り返すことがあります。
おしゃべりができるお子さまは「耳が痛い」と教えてくれますが、まだ言葉でうまく訴えられない小さなお子さまの場合、「風邪を引いた後に耳をしきりに触る」「機嫌が悪くて夜泣きが増えた」といった様子がサインになります。
このような変化が見られた場合は、急性中耳炎の可能性があります。

治療について

ガイドラインに基づき、症状の程度に合わせて治療を行います。

軽症の場合
3日間ほど経過観察を行い、自然に治らないと判断した段階で抗菌薬の投与を検討します。
中等症の場合
強い痛みや発熱がある場合は、原因菌に効果の高い抗菌薬(アモキシシリンなど)を処方します。
まず3〜5日間服用した時点で耳の状態を再評価し、症状の改善に合わせて、抗菌薬はトータルで5〜7日間ほど服用します(状態によってはそれ以上必要となる場合があります)。
重症の場合
耐えがたい痛みがある場合や高熱が続く場合は、鼓膜を少しだけ切開して溜まった膿を排出する「鼓膜切開術」を行い、あわせて抗菌薬による治療を行います。

リスク・副作用について

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滲出性中耳炎

滲出性中耳炎とは

中耳(鼓膜の奥の空間)に、滲出液(しんしゅつえき)という液体が溜まってしまう病気です。
3歳から小学校低学年頃のお子さまによく見られます。
急性中耳炎とは異なり、耳の痛みや発熱などの激しい症状がほとんどないのが特徴です。
そのため、お子さま自身が気づいて訴えることは少なく、周囲が気づかないうちに進行してしまうことがあります。
放置すると、音が聞こえにくくなる(伝音難聴)ため、言葉の発達や学校の勉強に影響が出ることもあります。
子どもの聞こえにくさの原因として、とても代表的な疾患です。

原因となる主な病気

  • 長引いている、または治りきっていない急性中耳炎
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎による耳管の腫れ
  • アデノイド(のどの奥のリンパ組織)の肥大による耳管の圧迫

治療について

まずは原因となっている鼻の病気(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など)の治療を優先します。
あわせて、お薬の内服や、鼻からきれいに吸引する処置などを行い、中耳の換気を促していきます。
これらの治療を3か月ほど続けても改善が見込めない場合や、難聴が長引く場合は、鼓膜を少しだけ切開してチューブを挿入し、液体を排出して換気を保つ「鼓膜換気チューブ留置術」を検討します(※必要に応じて専門施設へご紹介いたします)。

リスク・副作用について

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鼻の症状

小児副鼻腔炎

小児副鼻腔炎とは

鼻腔(鼻の通り道)の周囲にある、副鼻腔という空洞に炎症が起きる病気です。
多くは風邪を引いた際に、ウイルスや細菌が鼻腔からその周囲の副鼻腔へと広がることで発症します。
大人の「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」とは異なり、お子さまの副鼻腔炎は、風邪に続いて起こる急性のものや、長引くもの(遷延性・慢性)がほとんどです。
成長に伴って鼻の構造が発達し、免疫がついてくると自然に治っていくケースが多いのが特徴です。
ただし、放置すると鼻づまりや鼻水が長引き、呼吸の苦しさや睡眠の質にも影響するため、適切な治療が大切です。

よくみられる症状

  • 鼻づまりがひどい
  • 膿のようなドロっとした鼻水が出る(悪臭がすることもあります)
  • 鼻水がのどに流れる(後鼻漏)ことで咳が出る
  • 頭痛や頭重感(頭が重い感じ)がある
  • においを感じにくい

治療について

まずは鼻水を吸引器でしっかり吸い出し、鼻の中をきれいに保つことが基本です。
あわせて、霧状の薬液を吸入するネブライザー療法を行うこともあります。
細菌感染が疑われる場合は、抗菌薬の内服を併用して炎症を抑えます。
多くはこれらの治療で改善していきますが、長引く場合は根気強くケアを続けていきます。

リスク・副作用について

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のどの症状

扁桃炎についてはこちら

扁桃肥大

扁桃肥大とは

のどの奥、左右にある「扁桃(口蓋扁桃)」が通常よりも大きくなっている状態です。
幼児期に大きくなりやすく、6歳頃をピークに、成長とともに小さくなっていくのが一般的です。
肥大していても無症状なら問題ありませんが、大きくなりすぎると気道を狭くしてしまい、以下のような症状が現れることがあります。

  • いびき、睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まる)
  • 息苦しさ
  • 声がこもる(鼻にかかったような声になる)

治療について

軽度であれば特に治療は必要ありません。
ただし、睡眠時の無呼吸が激しい場合や、何度も扁桃炎を繰り返す場合、あるいは食事が喉を通りにくいといった日常生活に支障がある場合は、手術療法(扁桃切除)を検討します。

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アデノイド増殖症

アデノイド増殖症とは

アデノイド(咽頭扁桃)は、上咽頭(鼻の奥)にあるリンパ組織です。
3~6歳頃に最も大きくなりますが、炎症を繰り返すなどして病的に肥大した状態を「アデノイド増殖症」といいます。
アデノイドが肥大すると、耳管(耳と鼻をつなぐ管)の入り口付近が圧迫され、中耳炎(特に滲出性中耳炎)を繰り返したり、難聴の原因になったりすることがあります。
主な症状は、鼻づまり、口呼吸、いびきなどです。
口呼吸が続くことで、お顔の成長(アデノイド顔貌)に影響が出ることもあります。

治療について

成長とともに自然と縮小することが多いため、軽症なら経過観察が基本です。
慢性的な鼻づまりがある場合は、点鼻薬などを用いて炎症を抑える治療を行います。
保存的な治療で改善しない場合や、睡眠障害などの症状が重い場合は、アデノイドを切除する手術療法を検討します。

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首・その他の症状

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

流行性耳下腺炎とは

ムンプスウイルスに感染することで起こる病気です。
飛沫感染や接触感染により、3~6歳頃のお子さまを中心に流行します。
2週間程度の潜伏期間を経て、発熱とともに、耳たぶの下から顎にかけての「耳下腺」が腫れ、痛みを伴うのが特徴です。
腫れは1週間〜10日ほどで治まりますが、感染者の3割程度は「不顕性感染」といって、明らかな症状が出ないまま経過することもあります。

また、まれに合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。
回復が難しい高度な難聴(ムンプス難聴)や、無菌性髄膜炎、膵炎などが挙げられます。
一度発症すると聴力に影響が残ることもあるため、ワクチンによる予防が非常に重要です。

治療について

原因ウイルスに対する特効薬はないため、痛みや発熱に対する対症療法(アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬)が中心となります。
安静にして経過を観察し、自然治癒を待ちます。
※流行性耳下腺炎は特効薬がないため、予防が重要です。
ワクチン接種(任意接種)については、費用も含め、かかりつけの小児科等へご相談ください。

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小児耳鼻咽喉科の治療に伴うリスク・費用について

各種手術療法や処置、お薬の処方にあたっては、事前に十分な診察とご説明を行います。

費用
当院で行う検査・治療は原則として公的医療保険が適用されます(窓口負担は年齢や自治体の医療費助成制度に基づきます)。
また、専門施設へご紹介する際の発行書類(診療情報提供書)につきましても、保険診療の範囲内となります。
リスク・副作用
抗菌薬による下痢やアレルギー、処置による一時的な出血や痛みを伴う場合があります。
それぞれの検査や処方にあたっては、事前に十分な診察と丁寧なご説明を行いますので、ご不安な点は遠慮なくご相談ください。