舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に取り入れ、身体を慣れさせることで、アレルギー症状を根本から改善することを目指す治療法です。
毎日1錠、お薬を舌の下に保持して服用するだけの簡便な治療で、従来の注射による治療(皮下免疫療法)と比較して痛みがなく、重篤な副作用のリスクも抑えられています。
舌下免疫療法がすすめられる方
- 毎年、スギ花粉症やダニによるアレルギーに悩まされている
- 根本的にアレルギー症状を治したい
- アレルギー薬の服用量や眠気などの副作用を減らしたい
- 数年単位の治療を継続する意志がある
対象となる方・治療期間
- 対象
- スギ花粉またはダニが原因のアレルギーの方(当院では6歳以上が対象)
- 期間
- 3〜5年以上の継続を推奨しています。
本治療は保険診療です。
他院での検査結果について:半年以内に他院でアレルギー検査をされた方は、結果をご持参いただければ検査を省略できる場合があります。
受診時にお申し出ください。
舌下免疫療法は、症状の改善が期待される治療法ですが、治療効果には個人差があり、十分な効果が得られない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
治療の開始時期について
- ダニ
- 一年中いつでも開始可能です。
- スギ花粉
- 飛散時期(概ね12月〜5月)は開始できません。
6月〜11月の期間に開始いたします。
スギとダニを同時に治療する場合は、時期をずらして開始します(1か月程度)。
治療の流れと通院スケジュール
- 検査・診断
- 血液検査(ドロップスクリーン等)でアレルゲンを特定します(当院では6歳以上が対象)。
- 初回投与
- 初回は院内で服用し、アナフィラキシー等の副作用がないか30分間待機して経過を観察します。
- 通院サイクル
- 初回処方の1週間後に一度再診いただき、問題がなければ以降は1か月ごとの定期受診となります。
- 終了・継続の判断
- 3〜5年間の継続を推奨しますが、開始から数年経っても効果が全く見られない場合は、治療継続の意義を相談の上、終了することもあります。
- 治療終了後の展望
- 5年間の治療を完了した場合、薬をやめた後も長期間にわたって症状が抑えられた状態が続くことが期待されます。
万が一、数年後に症状が悪化した場合でも、治療を再開することで効果が回復することが多いため、長い目で見守りながら治療を続けていくことが可能です。
服用時の注意点(重要)
舌下免疫療法を安全に継続するため、以下のルールを必ず守ってください。
体調が悪い時は中止してください
以下のような場合は副作用のリスクが高まるため、当日の服用を控え、当院へご連絡ください。
- 発熱や風邪気味の時
- 喉の痛みや、口の中に傷・口内炎がある時
- 喘息症状がひどい時
- 抜歯などの口腔内手術の前後
服用後の制限
投与の前後2時間程度は、激しい運動、入浴、飲酒を避けてください(血行が良くなると副作用が出やすくなります)。
正しい服用方法
舌の下に錠剤を1分間保持してから飲み込みます。
その後5分間は、うがいや飲食を控えてください。
飲み忘れについて
万が一飲み忘れた場合、2日分を一度に服用しないでください。
飲み忘れた日はその分の服用をスキップし、翌日から通常通り1日1錠を服用してください。
長期にわたって飲み忘れてしまった場合(重要)
1週間以上服用を中断してしまった場合は、自己判断で服用を再開せず、必ず当院を受診してください。
服用を中断した期間や患者さまの状態によって対応が異なりますので、受診時に服用状況を確認した上で、安全な再開方法を判断します。
中断期間によっては、初回投与時と同様に、医師の監督のもと初回投与量から再開することがあります。
他の薬との併用
服用しているお薬がある場合は、必ず診察時にお伝えください(特に喘息治療薬や血圧の薬などは注意が必要です)。
副作用と治療中の薬の併用について
舌下免疫療法は効果が出るまでは時間がかかります。
そのため、効果があらわれるまでの間は、症状に応じて抗アレルギー薬(飲み薬や点鼻薬など)を併用することが可能です。
- 症状のコントロール
- 免疫療法の効果が出るまでは、抗アレルギー薬を併用し、日常生活での不快感を減らします。
- 副作用対策
- 治療開始初期には、口の中に腫れや痒み等の症状が出ることがありますが、これらは数時間で治まることがほとんどです。
症状がある場合も抗アレルギー薬の内服が有効ですので、診察時にご相談ください。 - 注意点
- 極めて稀ですが、アナフィラキシー等の重篤な反応を起こすリスクもあるため、当院では治療開始初期の経過観察を慎重に行っております。